旅する日本語展2018
日本航空株式会社の小林秀代さん・田中優里子さん・後藤 有里恵さん
旅する日本語展2018

連動インタビュー企画

私の旅する日本語

私を変えた旅は「明日からの接客を
変えてくれるものでした」

日本航空株式会社 客室本部 客室品質企画部
企画・運営グループ チーフキャビンアテンダント
小林 秀代(写真中央)

客室品質企画部 HND V ステーション
田中 優里子(写真左)
後藤 有里恵(写真右)

空港で仕事をしている人にとって、そこは生活空間の一つであり、日常空間でもある。
「でも、プライベートで旅行をする際に乗る飛行機は、まったく気分が違いますよ」と日本航空株式会社客室本部客室品質企画部 企画・運営グループの小林秀代さんがとびきりの笑顔で答えてくれた。
小林さんは日本航空で国内線チャーター便総括・国内線マニュアル維持改訂等・国内空港関連窓口としてサポートを行っている。
その両脇で大きくうなずくのが、通称「Vステーション」で利用者の声を現場にフィードバックする業務を期間限定で担当している田中優里子さんと後藤有里恵さんだ。

旅のエピソードを語る様子

丸山敬太氏デザインによるノーブルな制服の襟元で、都道府県がデザインされたバッジが光る。これは「縁(ゆかり)都道府県バッジ」。2019年3月31日までの期間限定で、国内線に搭乗するすべての客室乗務員が着用しているものだ。後藤さんは父親の出身地の大分県、田中さんは親友の出身地の福岡県、小林さんは宮崎県を着用している。

小林さんが宮崎県を着用しているのは、2016年に訪れた高千穂に感動したのがきっかけだ。グルメ旅が好きだという小林さんは以前から高千穂牛を食べに行きたいと思っていた。そんな矢先、熊本地震が発生。熊本に隣接する宮崎でも観光客が減っていると聞き、応援したくて友人と出かけた。「高千穂へは、熊本からレンタカーで行ったのですが、被災地を目にしたり、通れない道も多かったりしたんです。迂回に迂回を重ねてたどり着いた高千穂は、思っていたよりもずっと幻想的な場所で、とてもすごいパワーを感じました」。
また、小林さんは高千穂で「七五三縄(しめなわ)」という言葉が「七五三」と関係していることを知った。普段使っている言葉の由来や知らなかった意味がわかるのが楽しいそうだ。旅で出合う言葉の楽しさは田中さんも感じており、「方言が好きです」という。「初めての熊本への乗務の際、阿蘇くまもと空港のゲートの壁一面に『ワサモン ヒゴモッコス アトゼキ トットット!』と書かれているのを見て衝撃を受けました。『新し物好き 肥後(熊本)の頑固者 戸を閉めなさい とっておいて』という代表的な熊本弁だと聞いて、方言っておもしろいなと印象に残りました」と教えてくれた。

写真が好きで、旅では料理を中心にカメラにおさめて、1冊のアルバムにまとめる田中さんにとって、旅は「思い出」というワードで表される。小林さんの旅は「癒しであり、非日常」だそうだ。後藤さんにとっても旅には癒し。自然が大好きで、自然の風景を見ることによって心が浄化されるという後藤さんは、大好きなひまわりが一面に広がっていた阿蘇の夏が心に深く刻まれているという。「真っ青な青空と緑の野原を背景に、黄色いひまわりが輝いて見えました。うれしくてたくさん写真を撮りました」。
後藤さんは旅をする際、ポイントだけを押さえて細かくは決めて出かけないそうだ。ある時和歌山の海岸線に沿って、あてもなく車を走らせた。すると、山の上に人が一人通れるくらいの小さなトンネルがあった。興味を持って、車を降りてくぐってみると、そこには海が青々と広がり、視線の先には四国が見える絶景ポイントだったという。こうした場所に偶然行き当たる素敵さを知れば、旅はさらに豊かになるだろう。日本には豊かな自然があり、四季があり、心からの丁寧な接客がある。そして交通機関の正確さが魅力だとそれぞれ熱く語ってくれる。日々、利用者の旅をサポートする役目を担っているからこその気づきが、煌めくように伝わってくる。

JAL TODOFUKEN SEAL

そんな彼女たちがいまかかわっているのが「JAL TODOFUKEN SEAL」のプロジェクトだ。「縁都道府県バッジ」と同じ都道府県の風景がデザインされたシールを客室乗務員が携帯し、希望すればもらえるものだ。シールにはそれぞれの都道府県のおすすめスポットがデザインされており、SNSなどでも話題となっている。田中さんと後藤さんは、このシールを管理するのも現在の担当業務のひとつだ。さらに、全都道府県をコンプリートすると、季節ごとに特別なシールと、サプライズのプレゼントもあるというから注目だ。

空港で仕事をし、オフでは旅を満喫する。旅で得たものが糧になり、意識せずとも自然に接客に生かされていることが彼女たちの自然な語り口から伝わってくる。飛行機は強くたくましいが、彼女たちが支える空の便は、やさしく凛々しく飛んでゆく。

JAL TODOFUKEN SEALと皆さん

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