旅する日本語展2017

コラム11

新菱冷熱工業株式会社

新菱冷熱工業株式会社 首都圏事業部営業三部 部長補

小林俊幸(こばやし としゆき)さん

2018.4.1

新菱冷熱工業株式会社

私にとって旅とは、
「家族での帰省とリフレッシュ」です

人生の中で時を重ねていくうちに変わりゆくものがいくつかあるが、「旅」もそのひとつだろう。若い時は自由で気ままに仲間たちと賑やかに楽しむ旅も、家族ができ時が経てば子供たちとの家族旅行となる。さらに子供が大人になれば、静かな時を過ごす夫婦の旅となる。こうした移ろいを楽しめるというのはなんと幸せなことだろうか。

 「私にとって旅というと、毎年家族と一緒に帰省している郷里の広島への旅行のイメージが強いんです」という小林俊幸さん。新菱冷熱工業株式会社で、首都圏を中心に営業を担当している首都圏事業部営業三部の部長補を務めている。
 同社は空港施設、航空関連施設、事務所、工場、病院、データーセンターなど、建物の空調・衛生設備工事を通じて社会の暮らしのあらゆる分野に関わる、総合的な環境づくりを担っている企業だ。最近「建物は生きている。空気を吸っている。」のキャッチが特徴的なテレビコマーシャルを始め、お茶の間にも急速に認知が広がりつつある会社だ。

帰省のエピソードを楽しそうに語る小林さん
帰省のエピソードを楽しそうに語る小林さん

小林さんは生まれも育ちも広島県。大学まで地元で過ごしている。小林さんにとって想い出深い旅は初めての海外旅行となったカナダへの旅行だという。海を超えると文化も言葉も、そして見える空まで違って見えることに驚いたという。何より、広島から成田空港へバスで向かう時点で、「東京は既に異国の地といった感覚で、目新しいものばかり。その時点で海外に足を踏み入れているかのようでした」と語る。

「大学時代カナダに留学している友人に会いにいきました。広い道や町並みはもちろん、空が本当に広くて、何もかもが日本と違う様子に世界の広さを感じました」

大学を卒業した小林さんは新菱冷熱工業への就職を機に上京。管理部門を経て営業に従事するようになり、以来様々な案件に携わってきた。10数年前からは羽田空港の担当にもなっている。
「空港に向かう際、浜松町から羽田空港までモノレールに乗るのですが、車窓から見える施設のなかには私共でお仕事をさせて頂いた建物が多々あり、さながら仕事の歴史を振り返れるようで、気づくと窓側の席に座っております」

そんな小林さんにとって旅行とは広島への帰省のイメージが強い。というのも上京してから26年毎年欠かさず盆暮れの年2回、両親が亡くなられてからも年1回、郷里の広島に帰省している。

「最近は子供が大きくなったこともありもっぱら飛行機での帰省ですが、子供がまだ小さかった頃は誰にも気兼ねしないで済むということで、車を利用していました。とはいえ、東京から広島までの距離は長い。夜の10時に東京を出発し、家内と交代で運転し続けても12時間はかかるからたまりません」

ある時などは帰省ラッシュと事故に巻き込まれ、広島まで27時間かかったこともあったそうだ。それでも「家族と一堂に会せる時間は尊いから」と帰省は欠かさない。
「私の親にとってみれば、孫に会える年2回の大事な時間でした。妻にとっては一日三食料理を作らなければいけないことからの僅かな解放に、私にとっても家族団欒の大切な時間となっています。年によってはまっすぐ広島に帰ることもあれば、実家の父母が四国や金沢まで来て一緒に旅行や観光を楽しむこともありました。美味しいものを食べ、温泉に入り、語らうその時間は、親子三代が揃う大切なひとときでした」

また「友達もいるから」と語る小林さん。生まれてから大学まで過ごした広島には大切な旧友たちがいる。彼らと会うことも大切な時間。思春期と青春時代を過ごしてきた友と会う一時は小林さんがルーツに戻る時間でもあるのだ。「もうみんなよい歳になって、結婚式で帰ることもなくなりました。みんなが揃うのが年1回の帰省の時間なのです。あの頃の友人たちとは、今でもくだらない話ができますね」と目を細める。

小林さんにとって旅とは「帰省」を指すとともに「リフレッシュ」でもある。現在、家族は子供が大きくなって夫婦だけで旅行することも増えたという。青森の奥入瀬や福岡の太宰府天満宮。「行ってみたいね」という夫婦の会話だけで計画できる旅。時が経ち、子供は大きくなり学校に部活にと外の世界へと飛び出し、実家の親たちはもう居ない。帰省の旅に三世代揃ってのイベント旅行は、今はもうできないが、それでも年1回の帰省は、小林家の歴史や人生の旅の、止まり木となっている。

新菱冷熱工業株式会社が選んだ 旅する日本語

壮挙。彼女の実家への旅がこんなにドキドキするとは思わなかった。娘さんをください!と、果たしてきちんと言えるだろうか?これはまさに人生最大の冒険なのだ。そうきょ……勇気のいる、大掛かりな仕事や冒険。

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