旅する日本語展2017

コラム08

高砂熱学工業株式会社

高砂熱学工業株式会社 国際事業統括本部 国際事業統括部 国際事業推進室

柴田かおり(しばた かおり)さん

2017.11.30

高砂熱学工業株式会社

私にとって旅とは、
「挑戦と発見」です

羽田空港は不思議な場所だ。天井の高いターミナルに足を踏み入れると、これから始まる旅への期待に胸が高まる。「空港は、気分を最高潮に高めてくれる大切な場所」という柴田かおりさん(高砂熱学工業)が魅せられているのは海の向こうへの一人旅だ。

 旅はどこから始まるのだろう。旅行鞄を持って家の玄関を開けた瞬間から、あるいは空港からと答える人もいるだろう。いずれにしろ旅の道中において空港という場所は重要な場所となっている。その空港をはじめとした様々な施設で人々が快適な時間を過ごせるよう、施設の空調を高度な技術で設計、施工する会社に高砂熱学工業株式会社がある。中国・東南アジア・メキシコなど海外拠点も多く、2017年にインドのICLEAN社の株式60%を取得するなど注目の企業だ。同社の柴田かおりさんは中国、東南アジア、メキシコの海外拠点の営業支援や管理業務に従事している。昨年度にはマレーシアで100億円を超える大型物件を受注するなど、海外での事業展開の拡大を進めていることもあり、海外への出張は3ヶ月に1回のハイペース。羽田空港から飛び立つことも多いという。
柴田さんの出張先での楽しみは、なんといっても現地の美味しいもの巡り。「美味しいものを食べているときは幸せな気持ちになります」と笑う。

旅のエピソードを楽しそうに語る柴田さん
旅のエピソードを楽しそうに語る柴田さん

 柴田さんのこれまでの旅遍歴は面白い。旅にはまるきっかけとなったのが5年前のロンドン旅行だ。語学留学している友達から、シェアハウスが空いているから航空券だけで行けると聞き、思い切って飛んでいった。そこで触れた海外文化の重厚さが忘れられないのだという。
柴田さんは大学でイギリス文学を専攻したほどの大のイギリス好きだ。戯曲のシェイクスピアや恋愛小説のジェーン・オースティンに社会派のチャールズ・ディケンズなど、文豪が歩いた道を自分でも歩いてみることが昔からの夢だった。ビッグベンの鐘の音、キャサリン妃が結婚式を挙げたチャーチは図鑑や写真集でしか知らない。「この道を文豪が歩いたんだ」「ビッグベンの鐘の音も本当に遠くまで聞こえて」と、本物に直に触れる体験を通して、五感が震えたという。

 「心の底から感動している自分がいました」

 そこから海外の文化に触れることにはまり、以来英語力を伸ばすことも一人旅の目的となった。そのため一人旅ではおのずと日本語ではなく英語でのコミュニケーションを心掛ける。

 「現地のバルで出会った人や店員さんに美味しいお店やお勧めを聞いたり、積極的に話しかけて次の日に巡ったりします」
英語力を試しながら、人と触れ合い、存分に自由を楽しめるのが、一人旅の醍醐味だという。見るもの聞くもの、食べるもの、すべてが新鮮で、湧き上がる好奇心が柴田さんを一人旅へと掻き立てるのだ。1回では足りず、2回行った国も多い。

 「私は日本に帰ってきた後に旅で訪れた場所を調べるんです。そうすると、あそこにも行きたかった、これは知らなかったという情報が出てきて、気づくとまた行きたくなってしまいます」
いつ行っても初体験がある一人旅に、柴田さんは「虜になりましたね」とはにかむ。本物に触れ空気を全身で体感する一人旅と、緊張感を伴う出張。そのどちらにとっても、羽田空港は大切な場所だと柴田さんはいう。
「仕事であってもプライベートであっても、空港に着くと気分が高揚するんです」

 そんな柴田さんにとって旅とは「挑戦と発見」だという。
「見知らぬ国に一人で行くことで、自分の英語力や人間性が、今どれだけなのかを試すことができます。そして、一人で旅に出ると、臆病だった自分が物怖じせずに言葉が出てきたりして、新しい自分を発見できるんです」

 憧れた世界への扉の向こうへ飛び出す不安と勇気、見知らぬ土地で見つけた新しい自分。触れた感動は身体をかけめぐり、世界と繋がっているという実感は自信になる。
「これまでの固定概念なんて関係なくなって、私は私のままで良いんだと思わせてくれます」現在は、三度目のイギリス一人旅を考えている。
「今は仕事を頑張り、来年の夏休みにはロンドンに行きたいと思っています」

 旅のあと、新しい発見について図書館で調べていると、さらに興味が引かれるものが出てくる。写真を見て、文章を読み、ひとしきり想像を巡らせた時、実際に触れたあの心の震えが蘇る。

 「一人旅で、心の底から感動できるってこういうことなんだと知りました」

 今この瞬間を生きている。繋がる世界を想う鼓動は高鳴り、彼女はまた、一人空へ飛び出し旅を続ける。

高砂熱学工業株式会社が選んだ 旅する日本語

空上戸。旅先の居酒屋は、究極のガイドブックになり得る。偶然隣に合わせた地元の人と酒を酌み交わし、知る人ぞ知るスポットを聞き出すのだ。杯を重ねるごとに行くべき場所が増えるのは嬉しいけれど、その分、明日が辛くなることはもちろん承知している。そらじょうご……お酒を飲んでも酔いが顔にでない人。

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