旅する日本語展2017

コラム03

日本航空株式会社

客室品質企画部

新見つかささん・三崎有未さん・小﨑花さん

2017.5.17

日本航空株式会社

私たちにとって旅とは、
心配りの在り方を学ぶ場所です

空港という旅の玄関口で人は日常と非日常の世界を往来する。そこはすでに日常の中に非日常が溶け混じる狭間の空間。

その境界線上で一人ひとりの機上の旅を快適なものにするためにきめ細やかな心配りをしているのがJALのスタッフたちだ。そのなかに「客室品質企画部」がある。

旅のエピソードを楽しそうに語る新見さん
旅のエピソードを楽しそうに語る新見さん

「お客さまに安全かつ快適に過ごしていただくために、客室乗務員の機内サービスの企画や調整、全ての仕事に最善を尽くせるようサポートをするのが仕事です」と語る新見さんは客室品質企画部での勤務は2年目になる。新見さんにとって旅とは「終わりがあるからこそ輝くもの」とのこと。

「私は昔ニュージーランドを旅したのですが、限られた時間だからこそ非日常を全力で楽しもうと思って。普段だったら挑戦しないようなことにも挑戦しました。今になって振り返ると、あの瞬間一つ一つが私の中で色褪せない思い出として根付いています」

 同じ客室品質企画部のなかで客室乗務員用のフライトの事前学習資料の準備や機内販売商品の展示の他、羽田空港を来訪する見学者の案内も行う通称「Vステーション」の業務を担当する三崎さんは今年の4月から4か月限定での勤務。思い出深い旅のエピソードには「ハワイの海でイルカの群れのなかで泳いだこと」をあげながら、「非日常に触れるからこそ、日々の生活に感謝ができる」と新見さんに同調する。

「私にとって旅の魅力は、日常から離れて普段の生活では出会えない体験や人との交流ができることです。そうした思い出が生まれるからこそ日常とのコントラストが映えて、日々の生活に感謝できるようになります」

 同じくVステーションの小﨑さんは2月から4か月間限定の勤務。旅の思い出には、「両親の結婚記念日にハワイ旅行をプレゼントしたこと。チケットからホテルまで全て自分でセッティングしたのですが、とても喜んでくれました」と語る。

 このように旅が人に与える力や魅力を知っている旅上手な彼女たちだからこそ、乗客が旅にでる際にきめ細やかな心配りができる。「空港という場所柄心浮き立つお客さまの旅がお一人お一人の胸のなかに素敵な思い出として最後まで描き切れるように、私たちが始まりと終わりをしっかりと守らなければならない」と力強く語る。

 彼女たちが現在従事する客室品質企画部は基本的には乗客の表に立つ客室乗務員の仕事を裏から支えるサポート業務が中心だ。3人とも本来客室乗務員であり、客室品質企画部を経験することでプロフェッショナルとしてのホスピタリティに尚一層の磨きをかけていくことが狙いなのだろう。

 その最たるエピソードを小﨑さんが語ってくれた。国際線を乗務していたある日、大雪で羽田の駐機場に入れず機内で一晩乗客と過ごしたことがあったそうだ。

「狭い機内で長時間のフライトを強いることになったお客様に対して、せめて私たちにできることはないかを考え、おにぎりを人数分作ったことがありました。ただ食材が残っておらず、具の入っていない塩むすびしか握れなかったんですけど」

 しかし後日搭乗した乗客から『人生で一番美味しいおにぎりでした』という心の籠った手紙を頂戴したそうだ。

「天候の理由でお客さまのせっかくの思い出が残念なものになりかねない時に、私たちの手で幾ばくかそれを守ることができたかな」との語り口に仕事に対する心構えが表れている。こうしたプロフェッショナルを育て上げるJALだからこそ、コアなファンがつくのだろう。

千社札シール
国内線限定の千社札シール。配布は6月30日まで。

 例えば、お客さまとの会話のきっかけを作りたいという思いからはじまった縁(ゆかり)都道府県バッジ・千社札シールの取り組み。彼女たちの胸にはそれぞれ異なった県名のバッジが付いている。これは各々の出身や縁のある都道府県を表しているそうで「例えば私は出身の山形県のバッジ。お客さまとの会話のきっかけになり、私自身もお客さまとのご当地話を楽しんでいます」(新見さん)とのこと。

 一人一人の乗務員がバッジと同じ県の千社札シールを持っており、お客さまとの会話の折にシールをプレゼントしているそうだ。47都道府県全てのシールを集めることで、さらに特別なシールをもらえるそうだが、「すでに全都道府県のシールをコンプリートしている方もいらっしゃるんですよ」(小﨑さん)

 また現在国内外の観光需要を日本各地へ呼び込み、地域と一緒に「地域の元気を」作っていこうという取り組み『新ジャパンプロジェクト』を展開中だ。4月からは九州を取り上げており、例えば、日本各地の名店プロデュースの機内食として6月は佐賀県伊万里市の「伊万里 櫓庵治(ろあじ)」とコラボを展開中。「お米も伊万里深山米『夢しずく』を使った自信作です。」(三崎さん)。

 人は様々な目的で飛行機に乗る。その一人一人にとって「旅が最高のものになるように私たちにできることに全力で取り組みます」と語る彼女たちの奮闘を聞き、空の旅が安全かつ快適に過ごせるよういかに心が配られているのかを知り、また空の旅に出たくなった。

日本航空株式会社が選んだ 旅する日本語

一擲。失恋した時の元気になるおまじないは、一人旅と決めている。あてもなく飛行機に飛び乗り、知らない町を歩いて、知らない町でご飯を食べ、そして知らない町の美容室へ。そこでバッサリ髪を切る……。なんてことはしないで、シャンプーだけ。あんなヤツとの思い出なんで、洗い流すだけでじゅうぶんだ。いってき……思い切って一度に全てを投げ捨てること。

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