旅する日本語展2017

コラム02

公開記念特別編・作者インタビュー

俳優・画家

片岡鶴太郎

2017.4.13

公開記念特別編・作者インタビュー

旅の玄関口に、あなたの心を弾ませる
作品との出会いがまっている

昨年から羽田空港国内線第一旅客ターミナル2階出発ロビーに展示されていた「旅する日本語」展。4月からは装いを新たに第二弾が開催されている。今年もまた放送作家で脚本家の小山薫堂さんが旅にまつわる美しい日本語を選びエッセイを執筆。それを受けて俳優で画家の片岡鶴太郎さんが絵画を描いた全11作品がギャラリー空間にずらりと並ぶ。絵画を描いた鶴太郎さんに想いを語っていただいた。

──今年の作品はどういった視点で描かれたのでしょうか?

片岡鶴太郎(以下、片岡) 薫堂さんの文章を拝読しながら、ボク自身が発想の翼を広げてどこまで飛べるか、エッセイの世界観のなかでどう遊べるかを考えました。エッセイが奏でてくる音色を一つひとつ丁寧に受け取りながらも、その世界観を単になぞったのではただの挿絵になってしまいます。俳画や文人画の世界だと書と絵がお互い語り合うような書画同一の作品があります。今回の作品も同じように文章と絵の相関関係を良い意味で拮抗させたかったんです。戦っているとまでは言わないけれども、対峙するかしないかのギリギリのところを攻めながら、それでいて全体として見たときには和合している。そんな均整をどこでとれるか、書と絵がぶつかるなかでその頂の一点がどこにあるのかを探りながら描きました。

──昨年の小山さんとの対談のなかで、「『旅する日本語』ではじめて他人からテーマをもらって描くことをした。それが刺激的な挑戦になった」と仰っていますが、今年はどういった刺激がありましたか?

片岡 ボクが描きたいものだけを描いていると、どうしても偏ったものになりがちです。やはり薫堂さんの世界観をいただいて描くので、ボクのなかで今まで使ったことのない部位や神経がピーンッと反応するんです。その刺激が楽しくて。同時にボクの絵も薫堂さんにとってそうであってほしいので、「この文章でこの絵になるの?」という薫堂さんの想像の外側にあるだろう表現を目指しました。仮にボクの絵が先にあったとしたら、薫堂さんはどういった物語を編むのかなと想像しながら描くのが楽しかったです。

──今年の11作品の見どころやこだわり、お気に入りの作品を教えてください。

片岡 そういった、ボクだったら絶対に描かないようなモチーフの絵という点で、「凍て星」(いてぼし)。星空をモチーフにしたのは初めてなんです。それと「一擲」(いってき)もそう。男との思い出を「あんなヤツのために髪を切るなんてもったいない」と髪を切らずにシャンプーで洗い落とす女性の物語なんですが、その女性の切なさと涙を振り切って前に進もうとする健気さをどう具現化しようか考えたときに、いままで描いたことのない表現が浮かびました。シャガールの絵のような描き方をしています。

見どころという意味では今年の作品は絵のパターンが一緒にならないように心を配りました。描く過程で最初のうちは着想のおもむくままに自由に描いていたのですが、後半は日本画を描いたら、今度は油絵、次は水彩画というふうに意識的に表現の方法を変えています。

今年の作品からお気に入りを選ぶ片岡氏
今年の作品からお気に入りを選ぶ片岡氏

──今年「旅する日本語」に初めて触れていただく方には作品を見てどういった気持ちを受け取ってほしいですか?

片岡 空港の出発ロビーという場所がら、皆さん旅に出る期待に胸が高鳴るなかで目にしていただくことになるのだと思います。作品を見たときにその旅への期待感をなお一層大きく弾ませられる、そういった心の触れ方ができればうれしいですね。

──今年は一般参加型の投稿キャンペーンがありますが、どのような投稿をしてほしいですか?

片岡 作品を目にした際に受け取った想いをそのまま投稿していただければと思います。旅におもむく瞬間を切り取って、飛行機の機内などでそのワクワクする気持ちを表現していただけたら旅の期待感を留める素敵な記録になるはずです。あるいは、旅のなかで感じたことを自由に表現していただきたい。ボクもよく旅先で気になる風景などがあると携帯の写メで撮るんです。皆さんの旅情あふれる投稿と「旅する日本語」とが共鳴し合って、一人ひとりの旅が素敵なものになれば幸いです。

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